
ダウ理論とは?6つの法則とFXで使える第3・第6法則をわかりやすく解説【動画あり】
「ダウ理論を学べば勝てる」という話は、耳にタコができるほど聞いてきたはずです。ところが体感では、約9割の人がダウ理論を正しく理解できていません。
理由はシンプルです。ダウ理論の6つの法則は、一続きの小説ではありません。それぞれ別のテーマを語る「短編集」です。同じ話だと思って読むから、何を言っているのか分からなくなるか、分かった気になって聞き流してしまいます。1つ1つのテーマさえつかめれば、ダウ理論は必ず使えるようになります。
- ダウ理論の本質は「高値と安値の位置関係」を読むこと
- 6つの法則は、それぞれ別のテーマを持つ短編集
- FXの実戦で使うのは第3法則と第6法則。トレンドの4段階と転換ラインの引き方
ダウ理論とは
わかりやすいダウ理論の使い方講座を動画にて解説しています。ダウ理論は難しい・勝てないと思われがちなのは、ダウ理論のカバーしている範囲が大きいからであり、体系的に一度学ぶだけでFXを知らない人でも30分で分かるようになります。
ダウ理論は、19世紀末から20世紀初頭にチャールズ・ダウがウォール・ストリート・ジャーナルの社説に書いた相場の見方をもとに体系化された、「トレンドとは何か」を言葉にした理論です。6つの法則から成り立っています。「全てのテクニカル分析の基礎」とも言われていて、100年以上の長い歴史を持ちます。
- 平均株価はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要なトレンドは3つの段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
ダウの相場の見方は、何よりもトレンドに重点を置いています。チャートにトレンドがあることを前提に、それをもとに相場を分析する枠組みです。余計なことはせず、トレンドという1つのことを分析して極めた理論。それがダウ理論です。
ダウ理論の本質は高値と安値の位置関係
ダウ理論の本質は、たった1つ。「高値と安値の位置関係を読むこと」です。多くの人は、トレンドライン・移動平均線・ローソク足の形こそがダウ理論だと思っています。しかしそれらは、高値と安値の位置関係を見やすくするための道具にすぎません。
本質を高値と安値の位置関係だと捉えると、今がトレンドかレンジか、トレンドなら上昇か下降か、どこまで動いてどこで反転しそうか、を根拠を持って判断できるようになります。
ダウ理論のトレンドの定義
トレンドの定義は、高値(下降なら安値)を2回連続で更新することです。1回の更新では、まだたまたまかもしれません。2回連続で同じ方向に更新して、初めてそこに方向性、つまりトレンドがあると判断できます。逆に、更新が止まった瞬間が、トレンド転換の最初のサインになります。
トレンドの判断には最低2回の更新が要るので、前回の高値と安値だけを見ても判断できません。過去にさかのぼって、直近3回分の高値と安値、合わせて6つの点を比べます。これだけ見れば、相場が上昇を続けているかどうかが分かります。
ダウ理論の6つの法則とそれぞれのテーマ
6つの法則は、どれも同じトレンドの話に見えて、法則ごとにまったく別のテーマを語っています。
| 法則 | 本当のテーマ |
|---|---|
| 第1法則 | テクニカル分析の有効性 |
| 第2法則 | マルチタイムフレーム |
| 第3法則 | トレンドのライフサイクル |
| 第4法則 | 通貨強弱 |
| 第5法則 | テクニカルの信用度 |
| 第6法則 | トレンドの転換 |
私自身、このテーマの違いに気づくまで5年かかりました。それまでは分かった気で知ったかぶりをし、当然トレードでは使えず、「ダウ理論なんて意味がない」と思い続けていました。悪いのはダウ理論ではなく、テーマの違う話だと気づかなかった自分自身でした。
第1法則:テクニカル分析の有効性
「平均株価はすべての事象を織り込む」という法則のテーマは、テクニカル分析の有効性です。企業の業績・政治・経済・災害・戦争、さらには将来への期待や懸念まで、あらゆる出来事は、いずれすべて価格に反映されます。価格を見れば、世の中で何が起きているかが読み取れる。だから、価格を分析するテクニカル分析は役に立つ。
第一法則は「テクニカル分析って思ったより便利だよ」って伝えてくれているだけです。すごいシンプルですよね。
為替が動くのは、ニュースや経済指標が直接価格を上げ下げするからではなく、その情報をもとに売買をする投資家がいるからです。投資家の心理は、すべてチャートに表れます。
大きな急落急騰を起こす要因となるフラッシュクラッシュや〇〇ショックと呼ばれる現象は、特に前兆なく突発的に起こります。これらの値動きもいずれ価格に織り込まれ、チャートは正常な形に戻ってきます。経済指標や大きなニュースなどは、時間の経過とともに全てチャートに織り込まれていきます。
第2法則:マルチタイムフレーム

「トレンドには3種類ある」という法則のテーマは、マルチタイムフレーム分析です。ダウ理論は相場を長い波・中くらいの波・短い波に分け、それぞれを主要トレンド(プライマリー)・二次トレンド(セカンダリー)・小トレンド(マイナー)と名づけました。
| 主要トレンド(長期) | 1年〜数年 |
| 二次トレンド(中期) | 3週間〜数ヶ月 |
| 小トレンド(短期) | 3週間未満 |
この期間は、覚えなくて構いません。ダウ理論が作られた19世紀末は、株を1つ注文するのに数日かかることも珍しくなく、売り買いの量も今とは桁違いに少なかった。今はFXなら土日以外の24時間、スマホ1台・数百円から取引できます。取引の環境がまるで違う以上、当時の「何週間」を暗記しても実戦には使えません。
トレードに取り込むときに気をつけたいのは、ダウ理論が作られた当時と比べて、今のチャートはトレンドができてから終わるまでのスピードが極めて速くなっていることです。数年単位、数ヶ月単位よりも小さい単位で、トレンドを3つに分けて考えてあげなくてはなりません。
取り入れるのは、本質の1点だけです。3つの時間軸で見れば、1つだけ見るより精度高く分析できる。これをテクニカル分析に取り入れたのが、複数の時間足でチャートを分析するマルチタイムフレーム分析です。

第3法則:トレンドの3つの段階

「主要なトレンドは3つの段階からなる」という法則のテーマは、トレンドのライフサイクルです。6つの中で、ここでやっとトレンドそのものが主題になります。
| 第1段階 | 先行期 |
| 第2段階 | 追随期 |
| 第3段階 | 利食い期 |
先行期は、一部の人が静かに買い始める時期。追随期は、多くの人が追いかけて買い、トレンドが本格化する時期。利食い期は、誰もが買いたがり、すでにかなり上がっている時期です。初動・安定・終焉で中身がまるで違うから、3つに分けて考えます。
- 先行期:レンジ、ペナント、ジリ上げのような状態
- 追随期:徐々にトレンドに角度がついてくる。ある程度明確なトレンドが発生している
- 利食い期:誰が見ても明白なトレンドが発生している

第1段階:底値固め/第2段階:初期のトレンド形成/第3段階:トレンドが明確に形成/第4段階:天井圏・底値圏
底値固めが終わってトレンドが明確に発生し始める追随期の「前半」と「後半」では、エントリーの手段も、市場のポジションの状態も明確に異なります。前半は積極的に順張りを狙い、後半は条件によります。
関連記事【決定版】移動平均線MT4インジケーター7選|アラート、MTF、パーフェクトオーダー第4法則:通貨強弱
「平均は相互に確認されなければならない」という法則のテーマは、株でいう業界分析、為替でいう通貨強弱です。たとえばドル円が上昇したとき、ユーロドルが下落していれば、ドルが全般的に強いと確認できます。逆にユーロドルが上昇していれば、ドルの強さは円に対してだけかもしれません。複数の通貨ペアで同じ動きを確かめて、ダマシ(合図の向きに進まず、すぐ逆に動くこと)を減らす考え方です。
第4法則は、6つの中で最も複雑で難しい法則です。1つの通貨ペアの分析さえままならない段階で、複数を同時に見るのは現実的に難しい。最初は飛ばして構いません。短編集なので、読みやすい話から手をつければいいのです。
私自身、この法則には40%の同意です。FXのスキャルピングやバイナリーの場合には、他の通貨を意識しすぎない方が良いと考えています。意味のないノイズに惑わされて、エントリーが遅くなっちゃうだけなんで。
第5法則:出来高とテクニカルの信用度

「トレンドは出来高でも確認されなければならない」という法則のテーマは、テクニカルの信用度です。同じチャートの形でも、出来高があるかないかで、裏側の売買は違います。たとえば10億円の売買で作られたトレンドも、100億円が動く時間帯に入れば、あっという間に打ち消されます。出来高が多いほど、多くの市場参加者に支持された本物のトレンドだと言えます。
ただし為替は、取引が世界中の銀行や証券会社に分かれているため、正確な出来高を測る方法がありません。MT4のボリューム(Volume)で表示される出来高も、本来の出来高ではない擬似出来高です。そこで、時間帯・通貨ペア・季節の癖から、今の出来高を推測します。1年の中で出来高が極端に少ない日は、あらかじめ決まっていて、為替カレンダーで前もって分かります。
ダウ理論の考え方をもとに出来高を自分なりに推測して、テクニカル分析に応用することで、より高い精度でトレードを行うことができます。
- 出来高が伴わない短期間の上昇はダマシで終わる可能性が高く、ラインでもただのフェイクブレイクの可能性が高い
- 出来高を伴ったトレンドが発生した後、トレンドの進行に合わせて出来高が減少している場合には、トレンドの終了を示していることが多い
第6法則:トレンドの転換

「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」という法則のテーマは、トレンドの転換です。一度始まったトレンドは、明らかに流れが変わったと分かるサインが出るまで続く、という考え方です。ただし、ダウ自身が明確なシグナルを具体的に語った記録はありません。示したのは考え方だけです。私は、押し安値(日本式)と高値切り下げの起点(欧米式)の2本の転換ラインを引いて判断しています。
FXで使えるのは第3法則と第6法則
ダウ理論で勝つ方法は、非常にシンプルです。トレンドの初めで買い、終わりで売ること。当たり前に聞こえますが、これを徹底できているトレーダーは驚くほど少ない。継続しそうなトレンドをなるべく早く捉え、転換するまで持ち続けます。
トレンドそのものを語っているのは、6つのうち第3法則と第6法則だけです。第3法則はトレンドに段階があること、第6法則はトレンドの終わりには明確なサインが出ること。残りの4つは土台です。この2つを組み合わせると、トレンドの一生を、初動・安定・終焉・転換の4段階で読めるようになります。
| 段階 | 相場の 様子 | 見えるサイン | やること |
|---|---|---|---|
| 初動 | まだ 勢いがない | 転換ライン突破・ N波動 | 段階的に エントリー |
| 安定 | 一番 伸びている | 高値・安値の 更新 | 利益を 最大にする |
| 終焉 | 衰え 始める | 更新幅の縮小・ 更新頻度の減少 | 利確を 検討 |
| 転換 | 明確な 終わり | 明確な 転換サイン | ポジションを 手じまう |
初動で段階的に入り、安定で伸ばし、終焉で利確し、転換で手じまう。同じ「上昇トレンド」でも、どの段階かで取るべき行動はまるで違います。
トレンドの4段階の見分け方
トレンドの段階を見極める物差しは、高値・安値を更新する間隔、更新幅、トレンドが否定されるポイント(転換ライン)の3つです。土台は、直近3回分の高値と安値、6つの点です。
トレンドの安定期
安定期は、トレンドが最も勢いを持つ段階です。見るのは、押し目(上昇トレンドの途中で値段がいったん下がった所)を何回つけたか、高値の更新幅と間隔、安値が切り下がっていないか。押し目が2回以上あると、継続の信頼度が増します。更新幅が大きいほど、買いの勢いが強い。安値が切り下がらずに高値を更新し続ける限り、トレンドは強い。逆に安値が切り下がり始めたら、終焉や転換の兆候です。
トレンドの初動
初動は、これから始まりそうという段階です。利益を最大にできる反面、レンジとの見極めがつかず、ダマシに遭いやすい。見分ける手がかりは、値動きが激しくなる、転換ラインを超える、N波動(上昇→押し→再上昇)が出る、の3つです。N波動が出ても必ず続くとは限らないので、初動では一気に張らず、段階的にエントリーします。
トレンドの終焉
終焉は、トレンドが勢いを失い始める段階で、利確のタイミングです。サインは安定期の裏返しです。
- 高値の更新が4回目以降:多くの人が3回目までは継続と判断するので、4回目から新規の買いが減り、決済の売りが増える
- 更新幅の縮小:高値を更新しても、伸びが横ばいに近づく
- 安値の切り下がり:売り手が優勢に転じた合図
これらが見えたら、積極的に利確を検討します。
トレンドの段階ごとの取るべき行動
段階が分かれば、行動は自動的に決まります。初動はダマシが多いので、段階的に小さく入る。安定は、最も安全に押し目買い・戻り売りができる本命。終焉は、新規のエントリーを控えて利確へ。これが、第3法則の3段階を実戦で使うということです。
関連記事限界運動量インジケーターをTradingViewで無料配布|レジサポラインの引き方と手法ダウ理論のトレンド転換ラインの引き方
トレンドの転換は、ラインを引き、そのラインを割ったら転換と判断します。引ける場所は、押し安値と、高値切り下げの起点です。
- 押し安値・戻り高値(日本式):確実。ただし判断は遅め
- 高値切り下げの起点(欧米式):早い。ただしダマシが多い
使い分けは、まず欧米式のラインを割ったら「警戒」、次に日本式のラインを割ったら「利確・損切り」です。欧米式をサブ、日本式をメインにした2段構えで、欧米式から日本式の順に割るほど、ダマシの確率は下がります。
トレンド転換の後に逆張りしない
転換の瞬間に逆張りするのは、おすすめできません。転換は「今のトレンドが終わった」ことを表すだけで、その後に反対方向へ伸びるかは別の話だからです。終わった後は、レンジになることも、逆のトレンドになることもあります。
転換のサインが出たら、まず順張りのポジションを利確・損切りして手じまいます。逆を狙うなら、レンジの逆張りを待つか、反対方向の初動のサインが出てからエントリーします。
ダウ理論で勝ちやすいエントリー
段階・間隔・更新幅・転換ラインを合わせて見ると、エントリーする前に、勝ちやすいか勝ちにくいかが分かるようになります。安定期の規則的な押し目は、押し目の位置が読めるので損切りが浅く、トレンドが続けば利益が伸びる。初動はダマシ、終盤は反転のリスクがあります。読めるところだけを狙い、読めないところは見送る。それがダウ理論の実戦です。
ダウ理論だけで勝てるのか?
「ダウ理論だけで勝てる」という意見もあれば、「ダウ理論はダマシが多過ぎて勝てない」という意見もありますが、この問い自体がナンセンスと言わざるを得ません。なぜなら、ダウ理論はトレンドの方向性やその形成過程を示すものの、具体的なエントリーやエグジットのタイミングを直接教えてくれるわけではないからです。
たとえば「トレンドは3段階で進行する」という考え方があっても、どの時点でポジションを持つべきかは、他の分析手法を組み合わせて決める必要があります。実際の相場では、押し目や戻りを見極めることが勝ち負けを分けます。
つまりダウ理論は、その考え方をベースに、自分なりにトレード手法に落とし込むためのアレンジをする必要がある、アレンジありきの理論なんですね。水平線や移動平均線、ローソク足、サイクルトレードなどの補助的な手法と併用することで、相場を読む精度を高められます。
ダウ理論とエリオット波動の違い
ダウ理論とエリオット波動は、どちらも「トレンドは複数の段階から成り立つ」「高値と安値の更新が重要」という共通の考え方を持っています。一見似ていますが、注目しているポイントと、トレードでの使い方はまったく違います。
ダウ理論の第3法則は、トレンドが3つの段階で進むとし、トレンドの勢いが本格化してから先細っていくまでに注目しています。一方でエリオット波動は、相場を5つの推進波と3つの調整波、合計8つの波に分け、停滞したり押し目をつけたりしている場面も含めて、相場にどんな心理が働いているのかを分析します。
ダウ理論が安定して押し目をつけるトレンドに注目するのに対して、エリオット波動は急騰急落・安定したトレンド・調整・停滞まで分析の対象にしているので、チャートの分析範囲が広いんですね。押し目をつけているトレンドにはエリオット波動とダウ理論の両方を取り入れ、それ以外のブレイクアウト型のトレンドやレンジ、調整の場面にはエリオット波動の考え方を使う。場面で使い分ければ、両方使えます。
ダウ理論のインジケーター
ダウ理論をまるまる自動で分析してくれるインジケーター
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ダウ理論に特化した高値安値を可視化できるZigZagインジケーター
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ダウ理論のまとめ
ダウ理論とは何か?を見る時に、ただ前回高値・前回安値だけをダウ理論だと思ってトレードしていませんでしたか?
- 流行っている手法だから勝てる
- 王道の手法だから勝てる
なんてことは投資の世界ではありません。
ダウ理論の本質的な部分を理解し、実際に手法に組み込むにはどう落とし込めば良いのかを自分の頭で考えられるようになりましょう。
今、トレンドのどこにいるのか。その1点を捉えられれば、目先の値動きに惑わされることはなくなります。
高値と安値を切り上げているから、上昇トレンド。そこまでは分かっても、そのトレンドがまだ続くのか、もう終わりかけなのかが分からない。ダウ理論の6つの法則のうち、実際のトレードで勝てるのは第3法則と第6法則の2つです。この本では、トレンドを初動・安定・終焉・転換の4段階に分け、高値と安値の間隔・更新幅・否定されるポイント(転換ライン)の3つで、実際のチャートから段階を読み解きます。全12問のクイズを解き終わる頃には、今のトレンドが4段階のどこにいるのかが読め、エントリーの前に、勝ちやすい場面か勝ちにくい場面かが分かるようになります。
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