
FXのドローダウンとは?1万回シミュレーションしてわかった「負ける確率」のリアル
ドローダウンという言葉を聞いたことがありますか?
FXを始めてしばらく経つと、こういう経験をする人がほとんどです。
「手法は悪くないはずなのに、なぜか口座が減っている」
勝率もそこそこ。リスクリワードも悪くない。なのに口座残高は先月より少ない。こういうとき、大半の人は手法を疑い始めます。「やっぱりこの手法ダメだったか」と別の手法を探しに行く。で、また同じことを繰り返す。
断言しますが、勝てる手法を使っていても口座が一時的に凹むのは当たり前です。問題は手法じゃなくて、あなたがドローダウンの存在を知らないことです。
このシミュレーターは勝率・リスクリワード・リスク%を入力するだけで、「その条件で100回トレードしたら最悪どこまで凹むか」を1,000パターン生成して可視化するツールです。こんな感じの画面です。
テンプレートを選んでボタンを押すだけで使えます。今回はこれを使って、色んな条件で検証していきます。
そもそもドローダウンとは何か
簡単に言えば、口座残高が最高値からどれだけ減ったかです。100万円まで増えた口座が70万円に減ったら、ドローダウンは30%。
「30%くらい大したことないでしょ」と思うかもしれませんが、この30%を取り戻すのに必要な利益率は約43%です。減るのは一瞬、戻すのは倍以上かかる。50%凹んだら100%、つまり倍にしないと元に戻らない。70%凹んだら233%。もう無理です。
これだけ覚えておいてください。ドローダウン20%まではなんとかなる。30%超えたら黄色信号。50%超えたら退場。
実際にシミュレーションをぶん回してみた
ここからは実データです。モンテカルロシミュレーションっていう方法を使って、ランダムに勝ち負けを決めて「起こりうる未来」を1,000パターン生成しています。初期資金は全て100万円。
まず試したのが、勝率60%・RR1.2・リスク1%で200回トレード。相当堅い設定です。「これならまず大丈夫だろう」と思うような条件ですね。
- 破産確率:0% / 中央値:約187万円(+87%) / 最悪:約101万円(ギリ+1%)
- 平均最大DD:6.7% / 最悪の最大DD:24.9% / 最大連敗:18連敗
どうですか。勝率60%でリスク1%という「これ以上ないくらい堅い設定」でも、最悪25%凹む。18連敗もあり得る。これ、想像してましたか?
じゃあもう少し現実的な設定でやってみます。勝率55%・RR1.5・リスク2%で100回。「そこそこ勝ててる人」に近い設定です。
- 破産確率:0% / 中央値:約205万円(+105%) / 最悪:約80万円(-20%)
- 平均最大DD:12.0% / 最悪の最大DD:35.6% / 最大連敗:17連敗
最悪ケースで80万円。勝率55%でRR1.5って、普通に「それなりに勝てる手法」ですよ。それを100回やって20万マイナスで終わるパターンがあるわけです。
こうなったときに「この手法ダメだったわ」と思って捨てたら、本当は勝てる手法を自分から手放すことになる。ドローダウンを知っていれば「あー来たな、想定内」で済む。知らなかったら「もうダメだ」になる。この差はマジでデカい。
最後にもう1パターン。勝率50%・RR2.0・リスク3%で100回。勝率は五分五分だけど勝った時が負けの2倍。いわゆる損小利大ってやつです。
- 破産確率:0% / 中央値:約402万円(+302%) / 最悪:約68万円(-32%)
- 平均最大DD:18.8% / 最悪の最大DD:51.5% / 最大連敗:18連敗
中央値なら4倍近くまで増える。夢がある。でも最悪ケースでは資金が半分以下。100万円が50万円切るんですよ。数字の上では「期待値プラス」でも、この凹みを食らった時に冷静でいられますか? ルール破って一発逆転を狙いたくなる。で、退場していく。そういう人を本当に何人も見てきました。

リスク%を変えるだけでこれだけ変わる
ここが今回の記事で一番伝えたいところです。手法は同じ。勝率もリスクリワードもそのまま。変えるのは1トレードあたりのリスク%だけ。それだけでドローダウンの深さがここまで変わります。
さっきのバランス型(勝率55%・RR1.5)で、リスクだけ1%・2%・5%に変えて回してみました。
リスク1%の場合
- 中央値の最終残高:約144万円(+44%)
- 平均最大ドローダウン:6.1%
- 最悪の最大ドローダウン:22.8%
リスク2%の場合
- 中央値の最終残高:約205万円(+105%)
- 平均最大ドローダウン:12.0%
- 最悪の最大ドローダウン:36.6%
リスク5%の場合
- 中央値の最終残高:約531万円(+431%)
- 平均最大ドローダウン:27.6%
- 最悪の最大ドローダウン:68.5%
リスク5%は確かに一番儲かる。中央値531万円。でも最悪68.5%凹む。100万円が31万5000円ですよ。ここから100万円に戻すのに217%の利益が必要。無理ゲーです。
リスク1%だとリターンは地味。でも最悪でも22.8%の凹みで済む。100万円が77万円。ここからの回復は30%でいい。全然取り返せる範囲です。
要するに「リスク%を決める」っていう地味な作業は、実は「自分が最悪どこまで凹むことを許容するか」を決めているんです。ここを適当にやっている人が本当に多い。さっきのデータを見返してください。リスク1〜2%なら平均で6〜12%の凹みに収まる。だから「初心者は1%、慣れたら2%」と言われるわけです。根拠はちゃんとある。
ついでにコツコツドカンの正体も暴いておく
ここからはおまけです。でも結構大事な話。
「コツコツドカン」ってよく聞きますよね。小さく勝ち続けて、1回のデカい負けで全部持っていかれるやつ。これ、実際にどのくらいヤバいのかシミュレーションで再現してみました。
勝率70%・RR0.5・リスク3%。勝率だけ見たらめちゃくちゃ優秀です。でもリスクリワードが0.5。勝っても負けの半分しかもらえない。
結果。中央値で114万円。100回トレードしてたった14万円しか増えていない。それでいて最悪ケースでは48万円まで凹む。勝率70%ですよ?
上の図を見てほしいんですが、さっきの攻め型(勝率50%・RR2.0)と並べると差が歴然です。勝率は20%も低いのに中央値で400万。最悪ケースのドローダウンは似たようなもん。でもリターンが桁違い。
コツコツドカンの人って、勝率が高いから「自分は勝てている」と思い込んでるんですよね。でも蓋を開けたら全然増えていない。しかも1回の負けがデカいから、3〜4連敗しただけで精神的に折れる。勝率を追うよりリスクリワードを整える方がよっぽど大事ということです。
自分の手法だとどうなるか気になったなら、FX資金シミュレーターで実際に回してみてください。勝率とリスクリワードとリスク%を入れるだけ。テンプレートもあるので3秒で使えます。他にもロット計算、リスクリワード計算、レバレッジ計算、ロスカット計算、複利計算も全部無料で用意してあります。
結局、ドローダウンとどう付き合えばいいのか
ここまでシミュレーションを何パターンも回してきましたが、全てに共通しているのは「勝てる手法を使っていてもドローダウンは必ず来る」ということです。勝率60%でリスク1%でも最悪25%凹む。これは避けようがない。
大事なのは「凹まない方法」を探すことじゃなくて、「凹んだ時に退場しない設定にしておくこと」です。そのために一番効くのがリスク%の管理。同じ手法でもリスク1%なら最悪23%で済むのに、5%にしたら69%。手法は変えなくていい。リスク%だけ変えればいい。
退場する人の大半は手法が悪かったんじゃないです。ドローダウンに耐えられなかっただけ。「最悪ここまで凹む」と知っているだけで、連敗しても「まだ想定の範囲内だ」と思える。それだけで余計なことをしなくなる。
自分の手法で最悪どこまで凹むのか、一回もシミュレーションしたことがないなら今すぐやってください。3分で終わります。

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